Hidari Zingaro
Pat Perry 個展「Song and Dance」
この度Hidari Zingaroでは、デトロイトに拠点を置くアーティストでイラストレーターのパット・ペリーによる個展「Song and Dance」を開催いたします。
本展では、一連のキャンバス作品とドローイング作品をご紹介致します。
会場では、唯美主義を貫くさすらい人の目から見た、静謐でありながら旋律を感じさせる光景が繰り広げられます。魂のこもったそれらの作品は深い思慮に裏打ちされた魅惑を放ち、知らない土地なのに何か見覚えがあるような気持ちを湧き起こさせます。
アメリカ中西部出身のアーティストが描き溜めた日々の記録が、東京の街へ。アーティストであり探検家でもあるパット・ペリーの目を通して切り取られたアメリカという風景のひとコマを、是非会場にてお楽しみください。
- 作家から本展によせて
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ここにある想像上の野外劇と役者の画は、今年初めからずっと描き続けてるものだ。
全体像を捉えているわけじゃなく、上演中の一幕か、誰に見せるでもないたったひとりのパフォーマンス、または上演前か後の一場面を切り取っている。
これらの野外劇は、混迷を極めるこの世界から筋の通った物語を紡ぎ出そうという、役者による劇場的な試みの一種だ。
(我々のような)役者から成る劇団は論理的な世界には存在せず、物語に基づいた感情的な世界に存在している。
彼らは似たようなナラティブを共有するひとつのグループにまとまる。
そして(彼らと我々の)いずれの世界においても、「理解する」作業に割ける時間が致命的に限られているという事実に言及するまでもなく、我々が知ることのできる範囲には限界がある。
でもここで僕の関心は主として、意味を見出すことにある。
個展のタイトルは、「Song and Dance」にしたい。
この言葉には(訳注:文字通り「歌と踊り」という意味以外に)成句として、「長くてややこしい、ときに本当ではない言説や物語」という意味がある。
タイトルが2つの意味を持つことになるっていうのが、すごくいいと思った。