Hidari Zingaro

2018年9月22日(土) - 2018年10月7日(日)

UFO907個展「Flat Earth Flat Wall Flat Ass」 

Hidari Zingaroでは、9月22日(土)より、UFO907(ユー・エフ・オー・ナイン・オー・セブン)個展 「Flat Earth Flat Wall Flat Ass」を開催致します。

NYを拠点に20年以上も現役のライターとして活動しているUF0907は、UFOやエイリアンのモチーフを描く事で知られている。今なお、多くの作品を制作し続けており、
世界中のファンを魅了している。その活動はストリートのみに限らず、ギャラリー・ワークも行い、多くのグループ展や個展を開催している。
唯一無二のダーティーかつ異様なラ インから作られるエイリアンやUFOは、観る者の心奥の機微に触れると同時に、大きな揺さぶりを与える。
2017年、Hidairi Zingaroにて、MADSAKIキュレーションの3人展、
「MADSAKI Says “Yo! snipe1 & UFO907, Get Your Asses Over Here!”」に参加し、大きな反響を得ました。

今回の個展は、UFO907が学生時代、美術学校を中退し、活動の場所をファインアートの世界からストリートの世界へ、ブラシからスプレー缶やマーカーへ、キャンバスからストリートへと変えて、グラフィティの慣習に囚われずに、UFOやエイリアン等のキャラクターを描くサブカルチャーをメインストリームへと押し上げてきた「ギア」を、これまでに積み重ねてきた経験と共に、ファインアートへと「シフトチェンジ」してきた証明である。

批判を顧みず、サブカルの要素をグラフィティの世界へと押入れ、シーンを盛り上げてきた、UFO907の特異なものでありながら距離を感じさせない独自のスタイルからもたらされる遊び心ある展示空間を是非ご高覧頂きたく存じます。

会期

2018年9月22日(土) – 10月7日(日)
12:00-19:00
※レセプション 9月22日(土)18:00~予定
※水曜定休

Photo Gallery

UFO907
UFO907

90年代、UFO907が美術学校を辞めたのは、自身の将来に見越される、典型的な苦悩のアーティストという道程に幻滅したからだった。アートの世界を捨てた彼は、グラフィティとヴァンダリズムのサブカルチャーへ没頭した。ペイント・ブラシはスプレー缶に持ち替え、ニューヨークという街の終わりのない壁、打ち捨てられた撮影舞台、屋上、そして、配送業者のトラックは、彼のスタジオ兼ギャラリーとなった。素材や、ペインティングを施す表面の予測不可能さ、逮捕されるかもしれない、追われるかもしれないとう危険、そして暗闇に紛れた未知の場所でペインティングするという終わりのない冒険、その全てがUFOの作品のスタイル形成、成長へと寄与している。

UFO907は、これまで典型的なグラフィティの慣習に決して囚われてこなかった。グラフィティを始めた頃から、型破りなペインティング技術と特出したラインの表現力を兼ね揃えていたのは、UFOのグラフィティがファインアートに根ざしていた事の証である。キャラクター・ベースのグラフィティの第一人者の一人であるUFO907は、その覚えやすく、遊び心あるイメージで、良し悪しはあれど、キャラクターというサブカルなものをメインストリームへと押し上げる事に貢献した。それと同時に、「ストリート・アート」という新しいアートのムーブメントを興し、今日の若いアーティストが、ストリートからギャラリーへとキャリアをステップアップさせるショートカットとなる橋渡しへと繋がった。20年を経て、何百枚ものペインティング、何百万枚ものドローイングを制作し続けてきたUFO907は、現在、ギアをシフトし、スタジオ制作を行っている。

最近の作品群である「Flat Earth, Flat Wall, Flat Ass」は、UFOがファインアートの世界へと舞い戻った確固たる証拠である。一方で、UFOのアイコンや、スプレーやマーカーの使用は、彼がグラフィティに根ざした作品制作を物語る。最近のペインティング作品では、好機や行為を促すエネルギーと喜びが滲み出ている。また、それらは、物事への深い理解や激情、そして、無限の応用力を呈している。