Hidari Zingaro

2018年6月15日(金) - 2018年7月3日(火)

野澤梓個展「×とчのはくちゅ~む」

Hidari Zingaroでは、6月15日(金)より、野澤梓個展「×とчのはくちゅ~む」を開催致します。

ステッカーボムとはストリート文化から派生し、主に自動車やオートバイのカスタムにて行われるステッカーを支持体の表面が見えなくなるまで重ね貼りする手法を指すが、野澤はこれを自身(あるいは同世代の多くの女性にとって)の幼少期の遊びである雑貨収集及びシール帳作りとオーバラップさせる事で絵画制作を行ってきた。これは収集行為にある対象物を愛でる微視感覚と隙間なく埋めることによって抽象度を高める巨視感覚とを同時に視覚化する事で性に対する眼差しを、ねじれを表現するためである。

描画対象物であり描画素材でもある少年少女たちは時に児童ポルノを仄めかすような非常に男性的視点を感じさせる佇まいであるが、本来モチーフであるはずの女児性を自ら体現する手法によってそれらを構成し、性に対する主体性と客体性を多層化させている。新作である少年、いわゆるBLをモチーフにした作品はこうしたねじれをより色濃く顕わす事になるだろう。本展覧会は野澤が近年制作した絵画作品を中心に展示し彼女の作家性を包括するものであり、あらゆる分野で多様性が叫ばれる現代を描き出す重要な展覧会である。

野澤梓による、主体性と客体性が瓦解された性のねじれから生じる独創的な世界観を、是非体験頂きたく存じます。

会期

2018年6月15日(金) – 7月3日(火)
12:00-19:00
※レセプション 6月15日(金)18:00~予定
※水曜定休

Photo Gallery

野澤梓
野澤梓
Azusa Nozawa

1994年静岡生まれ。東京芸術大学絵画科油画専攻在籍。未成熟な少年少女をモチーフにし絵画作品を制作。自身が幼少期から続けている女児雑貨収集やステッカーボムを方法論に用いながら、独自のマテリアルを創造する。