Hidari Zingaro

2020年8月17日(月) - 2020年9月3日(木)

Michael Reeder個展「4th Dimensional Voyeur」

新型コロナウィルス感染者急増のため、急遽閉廊しておりましたMichael Reeder展「4th Dimensional Voyeur」について、8月17日(月)より営業を再開することが決まりました。
よって当初予定しておりましたスケジュールを変更し8月17日(月)〜9月3日(木)まで
を開催期間と致します。

リーダーは、グラフィティなどのストリートカルチャー、アカデミックな美術教育、壁画制作、グラフィックデザインと、多様な経験と影響をバックボーンに、独自のポートレイト作品を追求しています。
リーダーの作品は、グラフィカルで幾何学的なパターンの画面に、リアリスティックなタッチの人物像、髑髏といった黙想的なモチーフを組み込み、それらを複雑で計算された画肌(マチエール)を重層的に組み合わせる事で、独特で特徴的な作風を構築しています。
これらの鮮やかな色彩と、耽美的で厳粛なイメージが同居した作品群は、鑑賞者に日常の中の無意識、エゴといった、儚くうつろう意識の間へと誘うことにフォーカスしています。
絵画性と精神性を同時に追求する、リーダーの独自の世界観を、是非体験しにいらして下さい。

作家から本展に寄せて

今回の個展「4th Dimensional Voyeur(四次元の窃視者)」では、これまでに引き続いて隙間にある世界、そして平凡な日々を過ごすごく普通の人々とそれぞれのゴースト、つまりエゴを表すキャラクターに焦点を合わせている。
この空間は我々の無意識の中に存在し、我々が深く物思いに沈んでいるときや夢を見ているとき、瞑想中や、何かに熱中しているとき、でなければ何らかの薬物の影響を受けているときに、漂い、さまよう場所だ。その世界の説明できないぼんやりとした側面を採り入れることで、必ずしもこれといった目的や機能は持たないもののそこにあるのがふさわしいと思えるような要素を作品に持ち込むことが可能になった。
この風景は、想像という基礎と、制約を課すルールが不在であるという条件の上に築かれていて、最終的には我々の内面で交わされる対話を現実から解き放っていく。

会期

2020年8月17日(月) – 9月3日(木)
12:00-19:00
※水曜定休
(本展はレセプションパーティー及び、作家の在廊は行いません。)

Michael Reeder
Michael Reeder
マイケル・リーダー

マイケル・リーダー Michael Reeder

マイケル・リーダーは、1982年、テキサス州ダラス生まれ。地元のスケートボード/ストリートカルチャーに影響を受けながら育つ。年少の頃から伝統的な画材を使ったドローイングやペインティングを手掛けていたが、アンダーグラウンドで隠れるようにしている一方で非常に公衆的なペインティング形式でもあるグラフィティに惹きつけられていった。その後ニューヨーク市に移り、スクール・オブ・ビジュアル・アーツでペインティングのBFA(学士号)を取得。卒業後はダラスのEyecon Studiosに所属し、伝統的な大規模壁画を制作する技術を習得する。この経験と、初期に受けたグラフィティの影響とが融合して、現在手掛けているようなポートレート作品へと発展していった。

現在彼が手掛ける作品は、リアリズムが織り込まれた大胆な色使いと幾何学的なパターンを通じて、観る者の視線を惹きつける。ポートレート作品は、重く厳粛なイメージにどっぷりと浸かりながらも鮮やかではっとするほど印象的な色に満ちている。アイデンティティを明確にするというテーマに大きく影響されたリーダーは、それぞれの人が抱える自我、そしてまるでテレビのチャンネルを切り替えるかのように我々を世俗的な現実から引きはがす、儚くうつろう隙間のもしくは黙想的な状態に、強い関心を抱いている。制作の手順を予め決めず自在に流れていくようにすることで、作品自らがアイデンティティを帯びていけるようにすることを狙っている。リーダーの作品はアメリカ国内および国外で展示され、『New American Paintings』、『Le Petit Voyeur』、また『HiFructose』といった、数多くの出版物にも掲載されている。リーダーは現在、カリフォルニア州ロサンゼルスに生活と制作の拠点を置く。