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  • 3月20日(土)よりWEBショップにて、
    村上隆 新作エディションサイン入り版画5種を販売いたします。

2021.03.19

3月20日(土)よりWEBショップにて、
村上隆 新作エディションサイン入り版画5種を販売いたします。

こんにちは。村上隆です。
2021年3月の今週末は、東京に、アートやファッションの、文化事業がゴチャゴチャとぶつかって、人の気持ちが物凄く、萌え上がっております。
パンデミックが明けきってもいないのに、もう我慢しきれなくなった人々が一気に交差するイベントが目白押しです。
そんな中、僕が2年間に渡って作り続けて来たDOBくん版画シリーズの、残り5種を一気にリリースしたいと思います。

突然ですが、アートの流通世界における正義、正解とは何だろうか、っていう僕なりの考察を、ちょっとココで話してみたいと思います。
争点は、エディション作品の価値やブランドの創造とバランスに関してです。
人気作家になった時に、枚数を制限すれば、マーケットでは作品が希少になり、その希少価値によって、価格が上がるというメカニズムを「是」とするのが、普通のマーケットの考え方かと思います。
しかし、僕はちょっと違います。
現在ただいまを見ておらず、少なくとも30年後を見据えた構造を考えています。

参考例として、70年代〜80年代に沸騰したアメリカ、イギリス発祥のポップアートにおけるマーケットとブランドのメカニズムの部分を語ってみましょう。

自分が大学生の頃には、ポップアートの作家たちは、ほとんどが存命中で、当時、一番尊敬されていたのは、ロバート・ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズ、ロイ・リキテンシュタインでした。
アンディ・ウォーホルはちょっと格が落ちて、作品数を作り過ぎている、ということで、金儲け主義とか言われて、業界から舌打ちされているような気配がありました。
しかし、作家が全員死んだ現在、結局ポップアートの代表選手になったのは、アンディ・ウォーホルであることに、異論を挟む人は居ないと思います。
それはなぜか?
彼の表現の多彩さに加え、制作点数の多さ、そしてそのヴァリエーションの多彩さによって、興味を持った多方面からのオーディエンスが、死後、次から次へと多方向からの文脈を発見して、作家の思考を辿る旅路が、果てしなく続けられてたということが一つ。そして作品数がものすごくあった為に世界中に本物の作品が各美術館、コレクター達に届けられたという実態です。
ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズも、死の直後は、とても尊敬されていたし、もちろん今も尊敬されていて、価格もとても高いです。しかし特に、ジャスパー・ジョーンズって、今の若いアーティストは知ってるのかしら?ぐらいな知名度です。
ポップアートの概念を打ち建てた、イギリスのリチャード・ハミルトンは、もちろん一枚のコラージュ作品によって有名ですが、彼とウォーホル2人が紹介される機会が多く、ラウシェンバーグやジャスパー・ジョーンズの紹介される機会は、どんどん減ってきています。

その意味において、僕は、希少性を過度に煽ることではなく、自分の死後、アーティストが作品を作れなくなった後、どのように分析、解析されていくのか、そして作家の死後ブランディングこそが大事な争点であり、其処にすべて賭けて制作することが、正義である、と考えているのです。

多産なエディションを危惧する声もあります。

ですが、村上の他、カイカイキキのアーティスト達のエディション作品は、マーケットの中で、非常に健康的な活動をしています。

何故か?
それはエディション作品そのものの魅力と共に、ブランド構築のメカニズムににおけるクオリティも担保されているからであると考えています。

コレクターの気持ちにピタリと寄りそったコンセプトも重要です。コレクターとはどういった人間か?と言う欲求や、思考原理のメカニズムを理解する為に、私自身がコレクターとなって、現代美術から日本の古美術、世界各国のアンティークなど買い漁って、気持ちの変遷を自らリサーチしました。そして僕の中に蓄積した感情を解析したシズル感というものを、作品の中には忍び込ませているので、その意味において、美味しい作品が、時代に寄り添ってつくり続けられていると自負しています。

今回リリースする新作のDOBくん版画は、シリーズ完結なので、非常に感慨深いものがあります。
なぜかと言うと、僕のデヴュー当時からお世話になっている、版画工房のエディションワークスさんでの版画はクオリティーがメチャクチャ高くて絶大な信頼をおけていて人気も高いのですが、年間に5種〜10種の制作が限界で、それ以上はどうしても無理だったので、別の業者さんを探して、で、カワラボさんというところにお願いして、初めての作品がこのシリーズだったのです。少しずつクオリティーを上げていって、最後には箔を貼るまでに至ったわけです。
そういう意味でも、カワラボさんとのコラボレーションのクオリティーの信頼を交換できて、非常に感慨深いものがあると言うわけです。作品の実物は、中野ブロードウェイ内のHidari Zingaroにて展示していますので、ぜひ見てみて下さい。
そして作品を見たときに、僕の中に渦巻く、アート100年を超えるコンセプトのメカニズムに想いを馳せてください。見えてくる風景が全く変わるはずです。

ヨロシクお願い致します。

村上隆


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Tonari no Zingaro WEB SHOP

【販売日】
2021年3月20日(土) 10:00〜

【配送時期】
・配送は6月下旬以降より順次発送いたします。
・発送は準備が出来たものから順次発送させていただきます。
・お客様のご注文順番と前後する場合がございます。
・お荷物の日時指定等は承れません。

【商品詳細】
Camellia Red
Rainbow
Green Green
Yellow
Black & White

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