Hidari Zingaro

2019年2月15日(金) - 2019年3月8日(金)

LUSH個展「Okay, now THIS is epic.」

Hidari Zingaroでは2月15日(金)より、世界初の「ミームアーティスト」LUSH (ラッシュ)の新作をご紹介する個展「Okay, now THIS is epic.」を開催致します。

ミームとは、インターネット上で拡散されるいわゆる「ネタ」のことですが、LUSHはそれをユーモラスに(そしてしばしば議論を喚起するようなやり方で)描いた巨大ミューラル(壁画)で知られます。彼はヌードやブラックユーモア、政治風刺、内輪ネタ、グロといった、インターネットカルチャーにおける最もショッキングで不謹慎な要素を抜き出し、世界中の壁や建造物に大胆不敵に描きつけます。「誰もがそれについて言いたいことがあると感じている何かを見つけて、それをいじって遊ぶ」というアート哲学に突き動かされたLUSHの作品は、そのときSNSを賑わしているセレブリティや政治家、また一歩間違えば不快感を与えかねないぎりぎりのユーモアをフィーチャーして見た人から何らかの反応を引き出しますが、それは怒りだったり、面白がる気持ちだったり、セルフィーを撮るという行為だったりします。

LUSHの日本初個展となる本展では、新作のキャンバス作品をご紹介致します。お馴染みの有名人や漫画・アニメに出てくるキャラクターたちの皮肉なミームを描いたペインティング作品は、キャンバスという比較的制約の大きい表面に展開されているにも関わらず、より開放的なストリートの壁にペイントされた絵に引けをとらない挑発的なエネルギーを持ち合わせています。選ばれている題材の幅広さは、インターネット上の視覚文化が持つ混沌とした性質を映し出しています。つまり政治家やセレブリティ、また架空のキャラクターたちが持つあらゆる属性は、ウィルスのように拡散していく画像を通して意味を創造し、上書きし、そして再定義するために使われる要素のひとつに過ぎないのです。LUSHは、そういった作者不明の画像をオンライン上の文脈から切り離してギャラリー空間に移植することで、それらを自身の特徴的なスタイルで作り変えて、オンライン上のいたるところに広まり、受け入れられているものが、いかに違和感を伴いながら現実世界の領域を侵犯してくるのか、という点に焦点を合わせます。既成の価値観を破壊する作家LUSHが、今日われわれを取り巻いている視覚文化をいじってみせた遊びの数々を、日本のサブカルチャーのメッカである中野ブロードウェイという場所で、ぜひお楽しみください。

作家から本展に寄せて


参考:https://youtu.be/gVEdQJ7qtJw

会期

2019年2月15日(金) – 3月8日(金)
12:00-19:00
※レセプション 2月15日(金)18:00~予定
※水曜定休

LUSH
LUSH

LUSHは、メルボルンを拠点に活動するオーストラリア人のストリートアーティストです。
インターネット上のミームを優れた筆致で描いたストリートのミューラルが話題となり、グラフィティ界において最も評価が分かれると同時に最も影響力を持つ人物のひとりに数えられるようになりました。メルボルン、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク、そしてロンドンでの展覧会を経て、2014年には展示トラックでヨーロッパを巡回するプロジェクトを実施したほか、2015年には、イングランドのウェストン・スーパー・メアで開催された、ディズニーランドにインスパイアされたバンクシーによるディストピア的な世界観の展覧会「Dismaland Bemusement Park」に招かれて作品を展示しました。またペインティングに加え、イラストやプリント作品、コミック、映像作品なども手掛けています。