Hidari Zingaro

2018年9月1日(土) - 2018年9月16日(日)

Zhijun Wang個展「MASKOLOGY」

Hidari Zingaroでは、9月1日(土)より、
Zhijun Wang(ツィジュン・ウォン)個展「MASKOLOGY」を開催致します。

マスコロジー(Maskology)とは、大規模な工業化がもたらす影響の拡大と共に、大気汚染は世界により大きな影響をもたらすようになっている。そこで人類は、この新たな課題に取り組むべく、新たな技術を模索し始めた。それが、マスコロジーだ。YeezyやOff-White 、Hu NMD などの高価なスニーカーをマスクに転用することで、ツィジュン・ウォンは有害な大気に対する実用的なバリアを提供する。マスコロジーは、多くの有識者に、新たな分野を模索し、我々の生活をより彩りのあるものにしようと思わせるような刺激を与え続けている。

今回、作家にとっても初の個展となる展覧会「MASKOLOGY」をHidari Zingaroにて開催します。トレンドのスニーカーをマスクへと再構築することで、物質的に豊かになった反面、人体、そして環境への問題を孕む現代社会へ問題提起と注意喚起を促している。

ツィジュン・ウォンの進化し続ける独特で鋭利な訴求力に溢れる展示空間を是非ご高覧頂きたく存じます。

会期

2018年9月1日(土) – 9月16日(日)
12:00-19:00
※レセプション 9月1日(土)18:00~予定
※水曜定休

Photo Gallery

Zhijun Wang
Zhijun Wang
ツィジュン・ウォン

1982年中国生まれ。

北京の胡同(伝統的な住宅街)で育った血気盛んな若者、ツィジュン・ウォンは、中国の伝統文化とスニーカー収集にのめり込んできた。9歳でドローイングを学び始めて以来、芸術作品を生み出すことに魅せられてきた彼は、2008年、幼少期からの夢を叶えるべく、仕事を辞めて伝統工芸品の制作を学び始めた。カスタマイズスニーカーの制作を数年にわたって手掛けた後、ウォンはスニーカーの生産サイクル全体について考えを巡らすようになった。ちょうどその頃、2014年の冬、北京は大規模な工業化により発生した濃いスモッグに初めて飲み込まれた。しかし、人々は環境の変化に気づかなかった。特に外でよく遊ぶ若者たちがそうだった。ツィジュン・ウォンは北京でよく夜にランニングをしていたため、自身のスニーカーコレクションを使って美しく機能的なマスクを制作することを思いついた。そのマスクは、注目を集めること、そしてスモッグがもたらしたネガティブな結果を多くの人々に広く認識させ、注意喚起することを目的にしていた。この4年間、技術の向上に向けてたゆまぬ努力を重ねてきたウォンは、およそ100ものスニーカー・マスクをハンドメイドで制作しているが、マスクはそれぞれ、一足のスニーカーを素材として使っている。

2017年には、彼が手掛けた《Yeezy Boost 350 V2 Mask》(2016)が、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された「Items: Is Modern Fashion?」展の展示作品に選ばれた。会期後、美術館のArchitecture & Design(建築&デザイン)部門作品購入選考委員会は、同作をパーマネントコレクションに加える事を決定している。

ツィジュン・ウォンは、adidas、adidas Originals、Nike、Puma、Reebok、MCM、Kidrobot、そして、CLOTといった企業と次々にコラボし、それぞれのスニーカーが持つ美点を、マスクを通じて最大限に表現している。