Hidari Zingaro

2022年10月14日(金) - 2022年10月20日(木)

Ryusei Nakajima SOLO EXHIBITION
「I am home (super platform)」

2022年10月、Hidari Zingaroでは、「GEISAI#21」でタカノ綾賞を受賞された、中島隆誠による個展「I am home (superplatform)」を開催いたします。

2022年8月21日に東京ビッグサイトで開催された「GEISAI#21」。

これまでに100名以上ものアーティストを生み出してきたアーティストインキュベーションイベントが、8年ぶりに復活する形での開催となった今回は、全207ブースが東京ビッグサイトの南1ホールに集いました。当日は各アーティストのブースだけではなく、村上による記念NFTが配布されるなど、盛況のうちに閉幕いたしました。

2022年10月から2023年1月にかけて、次々と受賞者による個展の開催を予定しており、本展覧会は受賞者展の第一弾となっております。

GEISAI#21の審査員が見出した、若く新たな才能を是非ご期待下さい。

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《GEISAI#21審査員タカノ綾のコメント》

「中島隆誠さんの良いと思った部分は、ブースにQRコードと小さいオブジェだけを展示していて、最初は、「あ、なんか今っぽいな」と思って、

見ようとしていたら、色々説明してくれて、まだ17歳で、そのジェネレーションの、コロナとの高校生としての出会いとかをすごい教えてくれて、

このジェネレーションのこれからの未来とかに、あっと思うことがあり、すごい切なくなって、未来についても考えていて、すごい良いなと思いました。」



“作家からのメッセージ”

《スーパープラット》について
I am home (super platform)
演じ果たす
積み上がる
存在を奪う
更に生きる

《私の切実な主題・赤児》について
番号(1) 無実体・無感覚が身体に透過し、無自覚のまま、それに信頼性を虚飾すること
番号(2) 対象物ひとつずつではなく、それらを羅列した時の境界線じたいを強調して無闇に構造を解体すること
番号(3) 一過性の仮構がもつ枠組が慌ただしく暴露され、連続を想定した完成は不成立同然となること
番号(4) 規模や国家性に関わらず、あるコミニティ内において突発的・同時に全体・多数がリミナリティへ入り、順序を途中放棄した状態にあること
番号(5) 選ばれた強きひとつの、場所と時間に対応する既存の現実それじたいが、絶対的に固定された一貫性(法規)から主体性と強制力を奪い、
逆にそれへ代替可能性を譲ること
番号(6) 解釈者の自発性や優性は見え易く当たり障りのないひとつの現実に即して否定的に抹消すること
番号(7) フラット化した「0」の次にプラットフォーム(路線図・立舞台)という新型の平面構造が出現し、カウントにおいて「1」は生み出たが、
それは複写され、限りなく増殖し、その内実、一切の増減性を持っていないこと

これから大体において超克すべき、「リアリティを幽閉する門番」を挙げてみました。
今回の展示でデジタルやデバイスメディア世代だからこその発想で「2」をクリエイトする未来をお見せしたいと思っています。2004年生まれの私が高校という制度の儀礼や日常、祭典などの絶亡的な綻びの中で、世界と自分の関係性から逆説的な見方を努めてやっと気づくこと、それを制度というフィールドで、いくら私が訴えても、「1」のために形式化した周りの人々は全く理解できないのです。
法規・公理・自己という事実に関わらない絶対性に相応する現実の序列が逆転して絶対化し、自己のほうが泳がされてしまった恐ろしい世の中です。
私は将来的に映画を撮りたいのですが、今後、映画は現実をショットするというより、すでにショットされた現実に対して自己のほうを不断の関係性に追い込み、現実の枠組をディストラクションすることで、沈黙の第一世界から第二の語り得ぬ自由へとほんとうの意味でリアリティや自己を奪還するためのものでなくてはいけないような気がしています。そういう可能性がこれから必要でしょう。

だから、私は「場」と「場」の対決を申し出、闘争していくことができる芸術の路を無意味な生の消耗として探究することに決意しました。
もちろん、不自由さに対して我のしなやかさをもって受容する態度こそが、糾弾・叫喚それ以上に大切なことであることは皆さんもよくご存知の通りです。

超儀式、超アルゴリズムにおける水面の鵜と鮎の関係性でありたいのです。
「共同作業で互いが落下可能な舞台となって二面の間を作り上げ、現実を打破しながらうそぶいて無媒介に双方向な平面構造」を模索していくのです。

いまにしてやっと、はじまりをみつけに出かけようと踏み切ることができ、生きていることを伝えられそうだ、と自分自身楽しみにしています。

私のコンセプトや作品の詳細はさらにさらに深いです。とりあえず、QRコードからウェブサイトを参照のことお願いします。
また当日にカタログやデータで随時メッセージしていきます。
どうでしょうか。私はまだ、ぶつけてみることしかできません。受け止めてください。
それでは、また。よかったら、Hidari Zingaroにお越しください。

中島隆誠Ryusei Nakajima